こんばんは。恵莉子です。
証券会社の商品に元本保証の商品はありません。買って貰った直後から上がるかもしれないし、下がるかもしれない。これはその時の相場によって大きく変わります。
今日は実際に私の失敗談からぜひ皆さんには心がけて頂きたいことをお伝えします。
それはタイトルの通り、相場が急変した時こそ早めにお客様に連絡しよう!ということです。
私の体験談
もともと引き継いだお客様でお預かりも多かったのですが、前任との相性が悪かったのか何年も新規での株の買い付けはありませんでした。
その法人はその全てが株式の預かりなのですが、株を買ったら売らないという主義で含み益も相当に出ていたのでお預かりは8億円にも及んでいました。
引き継いだ当初から目をつけていて、訪問をした社長の趣味の話を聞いたり、保有されている銘柄のニュースがあればすぐにご連絡したりと頻繁に連絡するようにしていたので徐々に私が提案した銘柄についても耳を傾けてくださるようになり、ついに取引は再開されるようになりました。
とてもキャッシュリッチなお客様で、銘柄を提案すると持っている株を売って買うのではなく新たに資金を追加して買ってくださる方でした。相場が良いときは買ったら儲かる買ったら儲かるの繰り返しでお客様にも満足をいただけていたと思います。
でもそれは長くは続きませんでした。米中の貿易摩擦の進展から中国関連からみの銘柄が急落し始めたのです。
下がり始めた当初、私は安易に考えていました。今日は下がっても明日は上がるだろうと。せっかく買って貰ったんだから上がったタイミングで状況報告しようと。
でも次の日も、その次の日もその株は下がり続けました。上がっているときはウキウキしながら状況報告をしていたのに下がり始めると、お客様に怒られるんじゃないかという気持ちが強くなって電話がどんどんかけづらくなってしまいました。
そしてそれは時間が経過すればするほど、接触するタイミングを失ってしまい、電話をかけていないのは自分が一番良く知っているので心の中にずっとしこりがあるような気分でした。
だいぶ時間が経った後、お客様が保有されている銘柄で動きが良くなったものがあって日経新聞にも取り上げられていたのでようやくそれをきっかけに電話をしました。
すんなりとアポイントも下さって、面談のときはその銘柄の話をしたりと以前、取引を頻繁にしていただいていたときのような和やかな雰囲気だったのでこれでまた取引を再開してもらえるぞ!と思っていました。
そして2.3日が経った頃、 珍しく社長のほうから電話をいただきました。
「株式を全部他社に移管してほしい」と。
寝耳に水の話でびっくりを通り越して、はじめ何をおっしゃっているのかわかりませんでした。ついこの前お会いしたときはにこやかにお話をしていたのに。
証券会社は収益は販売額も大事なのですが今はお客様からの預かりを増やすこと、減らさないことがとても大事な仕事になっているんです。
約9億円になった預かりがなくなるのは私にとっても支店にとっても相当な痛手でした。なので私も必死になって他社へ株式を移管されたい理由を聞きました。
するとお客様は「相場が下がったときに連絡がなかった。私は実はお宅以外にも取引があって他社はすぐに連絡をくれた。相場だから良いときも悪いときもあるのはわかるけど悪い時こそ連絡するのが営業なんじゃないかな。」と。
この言葉は確信をついていました。お客様のおっしゃることがもっともです。この時、私は自分の甘さを痛感したんです。私の中でこのお客様は買ったら売らないお客様だし、ほっておいても大丈夫だろうという甘い考えがありました。
でもそれは状況が変われば変わります。貿易摩擦が長期化すれば関連株式は長く低迷をするでしょう。そういう銘柄をずっと持っているよりは動きが良い銘柄に変えたり、もっと配当が良い銘柄を持つなりお客様の資産を守る立場からすれば、そういう提案を相場の潮目が変わったときにするべきだったと思います。
更に私はお客様が他社でお取引があることも知りませんでした。お客様は常に比較をしていてより良い方にするというのは当然のこと。株を買ってもらっていた事で満足をして他社の動向については全くリサーチしていなかったのです。
株式の移管はお客様の希望通りに行われました。ここまで一気に資産を減らしてしまうという経験がなくて支店の皆さんにも迷惑をかけてしまったなと今でも思います。でもこの経験は今、私の教訓になっています
商品を買ってもらったらその後のフォローをしっかりやる、特に相場が急変したときにはすぐに連絡をすると言うことです。
連絡をしてしまえばわだかまりもなくなって、またいつも通り電話をかけられるようになります。お客様も下がるとわかっていて買わせた!なんて思っていません。でも下がった時こそ電話があるかないかでその営業員に対する信頼は大きく変わります。
良いことばっかりじゃない金融商品を取り扱う証券マンだからこそ常にお客様に誠実に向き合っていくことが大切なんです。
ぜひわたしの失敗談から学んでいただけると嬉しいです!
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